器楽演奏における身体動作の技法2・・・「波動理論」
![]() 寄せては返す波を海辺で見つめる時、静かな湖畔で波紋を見つめる時、それから漆黒のキャンパスに輝く満点の星々を眺める時、私たちには抗う事の出来ない絶対の法則があることを知る。 全てのちからは波として伝わるのだ。 これをプレイに当てはめてみると、人間のパワーは腰を要として順々に末端へと伝えられなければならない事がわかる。 腰から及ぶ力を十全に使って楽器を奏でれば、そのリズムには驚くほど強い筆致を得る事が出来る。 波動を正しく用いた演奏には生き生きとしたグルーヴと流麗さ、それに調子の良さが伴う。 考えてみれば当たり前の事だ。 また、動作が自然と波打つならば、共演者がいる場合には自分の音楽を相手に向けて的確に発信する事が出来、アンサンブルしてもストレスがない。 「波動理論」を応用した演奏は、全ての器楽演奏家に共通して有用だ。 そしてその理屈は単純明快であるが、それを自己実現するには、ある一定期間の修行が必要である。 とはいえ、一度身に付いてしまえば、それはあたかも自転車に乗れるようになるのと同じ様に、二度と出来なくなる事はない。 合理的な運動は美しい。 どの楽器の演奏についても言える事であるが、太鼓の演奏においては特に運動の結果が音に現れる。 身体動作によって空間に描かれた美しい軌跡、「波動の伝わり」がそのまま美しい音楽となるのではないだろうか。 演奏は合理的な運動によって為されなければならないと思う。 その運動は正しく引力に従い、力は波となって伝わらなければならないと思う。 「波動理論」に基づいた指導はアマチュア愛好家はもとより、音大打楽器科受験生、卒業生、プロの指導者、プロの演奏家にまでご好評を頂いています。 |
ドラムスタジオ・ラ・フィエスタ音楽教室部門 - ドラム・ピアノ・ソルフェージュ各科担当講師 : 藤田浩司(ザ・ジルジャン・アーティスト、文教大学講師) |