子どもの為のピアノレッスン

以前は大人の方々ばかりで殆どいなかった園児、小学校低学年のお子様を最近なぜか受け持つ事が多くなり「上達が早い」とご好評を頂いております。レッスンは主に教本を使用する時間、楽譜類を使用することなくプレイを見せて説明する時間、それから五線譜ではない図形や絵で音楽を描いて伝える時間、のミックスで構成され、標準的なレッスンのスタイルと比べるとかなり特異なかたちをとっているかと思います。
第一回目、二回目のレッスンより鍵盤の端から端まで弾いてもらいますが、これはオクターブの単純な繰り返しですからみんなすぐ弾けるようになります。
それは一例ですが、音楽に出てくる様々な要素を分解してレッスンします。音楽の三要素メロディー、リズム、ハーモニーをそれぞれ分けて練習し、あとでそれを合わせると、いきなりではとても弾けなかったような曲が弾けるようになります。複雑な部分はそれぞれなので、それぞれの要素を抽出して練習し、それらをあとで再構築するとすらすらと弾けるようになります。
また既存の曲をすぐに弾くばかりではなく、普遍的な伴奏やメロディーそれぞれの要素をまず練習しておくと、弾きたかった曲がすぐに弾けるようになります。
典型的な伴奏、和声進行、メロディーの動きなどを教本にとらわれることなく練習します。そしてそれらはあまり楽譜に頼ることなく、感覚的に学ぶ事が可能です。
様々な要素を要素として練習した上で再構築すれば、既存の曲が楽に弾けるのみに留まらず、ごく当たり前に作曲やアドリブが出来るようになります。
練習する範囲をリズムだけとかメロディーだけとか伴奏だけとか、せばめる事によって余裕が生まれ、小さな子でも音楽的に演奏する事が可能となります。
プロとアマチュアの大きな違いは、難しい曲が弾けるとかそういう事ではなく、音楽的に弾けるかどうかという事に尽きます。例えば名指揮者の棒に表れるような流れ、それが素晴らしいピアノの演奏には不可欠です。ただ楽譜に忠実に弾くだけではダメで、楽譜をどう解釈するか、それぞれその創意工夫が大切になります。
流れも大切ですし、どのような音で弾くかというタッチが、これもまたとても大切です。演奏とは、ある意味体術でもあり、鍵盤に対するタッチを過不足なくコントロールするためにはそれに対する認識と修練が必要となります。
そして楽譜とは不完全なものであると考えるべきでしょう。作曲者と共通の認識に立って当たり前の事を当たり前に肉付けしなければ、音楽にはなりませんね。なによりも大切なのは耳を鍛える事です。センシティブになればなるほど、不用意に例えば伴奏となる左手の音楽を奏でる事は出来ないでしょう。
でも、これらを教えるには結構なノウハウが教師の側にも要求されますね。


初めての方

科目一覧

音楽教室

教則本・作品

SNS

企画