打楽器演奏における身体動作の技法「軸理論」

身体は意識上に生まれるイマジネーションを表現する道具だとすると、これは効率の良い機械のように、あるいは自然や宇宙が見せてくれる合理性のように、精密な動きをするものである事が理想でしょう。
炎のようなパッションも、合理的な身体運動を伴ってこそ、はじめて表現出来るものであると考えます。
長年ドラミングを研究するあいだに、私は「軸理論」を発見しました。
関節によって繋がれた骨の運動を、背骨から指先まで、全て正しく軸線に沿ったものにする事によって、身体の中心から送り出したエネルギーを余すところなく力強い音に変える事が出来るのです。「軸理論」によって演奏されたドラミングは力強いだけでなく、しなやかなビートを生み出します。
正しくトレーニングを重ねると、身体の動きをどこから切り出しても、その動作は波の伝わりのように見えてきます。波動が力強さとしなやかさを生み出します。
打楽器先進国キューバで得たもの。1996年冬。初めて行ったキューバの首都ハバナでの体験は鮮烈でした。その講習会には世界的なビッグネームのドラマーや、その筋で第一級の音楽大学教授、やはり世界的にその出版物が売れているドラマーなどが大挙してやって来ていました。ドラム先進国と思われているアメリカのドラマー達が、ドラムを習いに来る国、それがキューバなのです。
そこで見せつけられたのが、そういった身体動作における極限なまでの合理性でした。それは私の母校、日本の最高学府である東京芸術大学においても得る事の出来なかったものでした。それから足かけ11年に渡ってキューバに通い詰めた経験を基として、導き出した身体動作の方法論が「軸理論」なのです。
ドラム・スタジオ・ラ・フィエスタではビデオカメラを用いてリアルタイムに、またプレイバックしながらフォームをチェックし、さらには鏡を使いながら「軸理論」に基づいた合理的な運動法を効果的に短時間で身に付けるお手伝いをさせて頂きます。
「軸理論」に基づいた指導はアマチュア愛好家はもとより、音大打楽器科受験生、卒業生、プロの指導者、プロの演奏家にまでご好評を頂いています。


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