アルバム Una Muchacha(ウナムチャーチャ)

カリブ海に浮かぶ島、ラテン音楽の都 ハバナ(キューバ)から豪華メンバーと共に、みなさんへお送りする1枚です。
藤田浩司
Cuban★Jazz Records CJ0009

完売しましたが、折角なので各30秒程のサンプルを残しておきます。

1) Una Muchacua ウナ・ムチャーチャ

ラテンジャズやルンバがあふれているに違いないと思ったこの国の、大多数の人々が聴いているのは、「サルサ」だということに気付いたのはハバナに住みつき始めてからの事でした。TVでもホールでもライブハウスでも、サルサずくめの音楽環境が続き、近頃はやっている「ブエナ・ビスタ」のサウンドなんていうのも、求めてもなかなか聴けないような状況だとは、この国を訪れる前には想像もつかないことでした。しかし、そんなサルサ浸けの毎日の中で、そのビートにもまれているうちに、最初のうちはピンとこなかったものが、自分の中にじわじわとしみ込んできて、いつのまにかなくてはならないものになってしまったのです。そんなころに書いたのが、この曲「ウナ・ムチャーチャ」です。曲はフリューゲルホルンの軽快なテーマのあと、フリューゲル、ピアノのソロと続き、現代的なマンボパートへ突入します。ラストはドラム・ソロでしめくくっています。

2) GAME OVER ゲームオーバー

この曲に対して、彼らキューバ人ミュージシャンの面々は強く日本的なモノを感じとったようです。確かに曲の出だしのようなテンポフリーのパート、いわゆる「間」を生かすタイプの音楽は、日本人である自分にとっては古い伝統の先に開かれたものとしてとらえる事が出来るのです。曲は1992年の作曲で、テンポフリーの序奏部に続いて、テーマが奏でられ、ビートはカスカラ→6/8(セイス・ポル・オチョ)→そしてアメリカンなソンゴと変化していきます。ソロはフリューゲル、途中に短いドラムソロをはさんでいます。

3) Gandinga,Mondongo y Sandunga ガンディンガ、モンドンゴ、イ、サンドゥンガ

ハードなキューバンジャズのナンバー。曲の出だしのリフが印象的。作曲者のフランク・エミリオはクラシックから現代、そしてジャズの感性を合わせ持つ、特異なピアニスト。いわゆるデスカルガ物の元祖として、ちまたでは知られています。トランペットのロベルトに、何かキューバ的なセッションものの曲を持ってきてよ、とお願いしたら、この曲を持ってきてくれました。キューバ人ミュージシャンの間では非常に有名な曲らしく、せっかく譜面に書いてもらったテーマは今回のレコーディングの中ではついに演奏されませんでした(あまりに有名で誰もが知っている曲を演奏する場合、ジャムセッションではこういう事がよくある)。ソロはピアノ、ベース、マンボパートに入ってのトランペット、そしてコンガ、ボンゴ、ドラムによるチェイスが続きます。

演奏者紹介

  • 藤田浩司(ふじたこうじ)
  • Roberto Garcia Lopez(ロベルト・ガルシア・ロペス)
    キューバの首都ハバナ生まれ。キューバ国立高等芸術院卒。国立音楽学校ENAで4年間教鞭をとる。1977年、バンドAfro Cuba(アフロクーバ)でデビュー。英国、スペイン、アルゼンチンなどの国々への数度のワールドツアーと共に、CD「Acontecer」「Sahara」「Afro Cuba ’94」「Ray Arcoiris」他をリリース。1996年、永くリーダーを務めた同グループを脱退。2001年現在BVSCの華、オマーラ・ポルトゥオンドのバンドに在籍中。
  • Lazaro Valdes(ラサロ・バルデス)
    サルサの発展型「ティンバ」の雄として名高い、キューバの人気サルサバンド、「Orquesta Bamboleo」のリーダー兼ピアニスト。すでにアルバム4枚を発表。2000年秋の日本公演では各方面において好評を博す。
  • Jesus Rubalcaba(ヘスス・ルバルカバ)
    キューバの名門音楽一家、ルバルカバ家に生まれる。国内においてはイサック・デルガド、タタ・ギネス、国外においてはメキシコ・ジャズフェスティバルでチック・コリア、ドミニカ共和国でミッシェル・カミロ等、著名ジャズミュージシャンと多数共演。2000年より父ギジェルモのグループ、オルケスタ・ルバルカバでも活動中。2001年発売のCD「EstoyAqui」はアメリカ、ラテンビート誌にヒットチャート入りを果たす。ジャズピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバは彼の弟である。
  • Felipe Cabrera(フェリペ・カブレラ)
    ゴンサロ・ルバルカババンドのベーシストとして、広く世の中に知られるようになる。マウントフジ・ジャズフェスティバル、ブルーノート東京等、来日公演多数。1992年、ゴンサロのアルバム「ラプソディア」でジャズディスク大賞金賞を受賞。
  • Ivan Soto Matos(イバン・ソト・マトス)
    キューバ国立高等芸術院卒。N.G.La Banda(エネヘー・ラ・バンダ)のリーダー、ホセ・ルイス・コルテスのもう一つのバンド、Tosco P.G.(トスコ・ペーヘー)に在籍。
  • Yoel Paez(ジョエル・パエス)
    キューバ国立高等芸術院卒。幼い頃よりコンガ奏者としてデビュー。1997年春のキューバ国内ヒットチャート1位、Paulo y su Elite(パウロ・イ・ス・エリーテ)のドラマー。最近、イサック・デルガドのバンドでの活動も確認されている。キューバの港町マタンサスの出身。
  • Roberto Garcia Valdes(ロベルト・ガルシア・バルデス)
    以前、チャチャチャの創始者、エンリケ・ホリンのバンドに在籍。又、今は亡き偉大なるピアニスト、エミリアーノ・サルバドールのアルバムに参加。1992年スペクタクル「ノーチェ・トロピカル」日本武道館等で公演。1997年、キューバの権威ある打楽器の祭典「ペルクーバ」にて、最近10年間における最優秀ボンゴ奏者として表彰を受ける。2001年現在、ブエナビスタ・ソシアル・クラブのワールドツアーに参加中。


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