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文教大学での講義より〜第10回「鍵盤楽器奏法の基礎」

藤田浩司
文教大学 第10回「鍵盤楽器奏法の基礎」 14 junio 2018

美しい音、美しい旋律、美しいハーモニーにくるまれてしまうと、指の運動の合理性とか、そういったものがかえって見えづらくなってしまう感じってありませんか?
そこで無味乾燥、単純な指のトレーニングに楽器を使用する事なく、机の上やボード上でそれを行う事により、運動の合理性について気付きが多くなると感じています。
今回は純粋に、鍵盤楽器を弾く時の「合理的な運動」についての考察とトレーニング。

身体をメカとして捉え、いかに合理的に動作させるかという事に焦点を当てて解説、そして実習。

手の形は寝ている時の様な抜け具合で鍵盤上におきます。
中指とか、長い指は縮こまりやすいですが、他の指より鍵盤の奥を狙うべきでしょう。
余分なちからを抜いて指にストレスのかからない状態をキープしつつ、必要な力はドーンとかけます。

基本は腰から湧き出るちから。
それを波動に従って末端へ伝えるというのが大原則。
指先だけで弾くという事はありませんよね。
とはいえ、タッチは非常に大切ですが。
そのタッチは基本的には「コツン」と乾いた感じでまさに「弾く(はじく)」べき事を確認。
どんなに小さな音やゆっくりとした流れにおいても一つ一つのタッチはまさに「つま弾く」ような感触を伴ってなされる事を確認。
別のたとえで言えば、指で叩いて演奏するボンゴで良い音を導き出す時のようなスナップが必要である事。

これらをいちいち教室中まわって机の上で指をぱらぱらっと何かのパッセージを弾くように運動させ、その机の振動を学生に感じ取ってもらう。
教室中で「すごい」と声が飛び交いましたが、合理的に運動させれば軽々と演奏しても打たれる側の机に快適で大きな振動が伝わります。
これをもって演奏すれば、アコースティックな楽器の響きが違うのは当然。

指の動きと手首をひねる動きの連動性なども確認。
こういった事もメカとして捉えた場合、打楽器の奏法と基本的な部分はほぼ同じ。

レガートもスタッカートも「打鍵」のスタイルは変わらず、その後に続くフォローの仕方によってレガートやスタッカートを作る事を確認。

他の指より短い親指の問題。
ゆっくりたっぷりと弾くなら、積極的に腕の前後動作を使い、それぞれの指は鍵盤のベストポジションを狙う事、一方速いパッセージを弾く時にはストレスのない手の形を優先して、場合によって長い指は黒鍵の間を弾くくらい奥に入っても良い事などを確認。

クラシックで習うようなスケールは、たとえば鍵盤の左右一杯スケールを引き切るとして、その途中を切り取れば全て「1-2-3-1-2-3-4」あるいは「3-2-1-4-3-2-1」に集約される事を確認。
長音階や短音階は鍵盤の端から端まで弾いた場合、途中を切り出せばどの調性でもこの運指の繰り返しにおさまるわけです。

その他、頻出の運指を実習。

さて来週は早くも試験を兼ねた即興実技について何をどうやるのか、希望を取っていきます。
講義終了後、私の周りに来た学生から「もうですか!?」と声が出ましたが、ホント早いですね。
やっと慣れてきたこのクラスとも講義終盤を迎えます。。。
そういえば今回は「先生、キャラ最高」と言われました。
何をやった時だったかな(^^;)

ドラムスタジオ・ラ・フィエスタ音楽教室部門 - ドラム・ピアノ・ソルフェージュ各科担当講師 : 藤田浩司(ザ・ジルジャン・アーティスト、文教大学講師)